学校には行けないと言う娘。
父親の剣幕に前夜ミクシィを退会した娘は、放心したままだ。
学校の先生や地域の親達にもチェックされる心配がないと思っていたミクシィは、唯一率直につぶやけ、寂しいときには、仲間(遊び仲間だ)が励ましてくれる、安心感のある心のよりどころだったようだ。
父親と娘を二人きりにしておくと、いつまでも根にもつ父親が再び暴れるかもしれないので、私も仕事を休む。
娘の部屋で二人、ぽつぽつと話したり本を読んだりしながら一日を過ごす。
食事は3人で無言でさっさと済ませる。
「明日は学校に行くように」と進めるが気の進まない娘。でも帰って来たら、一緒に外出する約束をすると、行く気になる。
混乱の中うっかりしていたが、翌日は中間テストではないか。
今朝、シャワーを浴びると、娘は登校して行った。
私も出勤の準備で洗面所で化粧をする。
と、夫が起きてきた。出勤間際に夫と顔を合わせるとロクなことがない。
口論で化粧がグチャグチャになり、遅刻してしまったことも何度かある。
今朝も、言いたいことがあったのだ。
「帰ってきたら、二度とミクシィに登録しないようにするんだ。」
いきなり怒鳴っている。
「二度と登録しないよ。でもミクシィをすることは問題じゃない。」
「信じてる。信じてるって、結局全部、私の言う通りになってるじゃないか。」
私は何度でも娘に話す。やってはいけないことはやらないようにと。夫が思っているほど娘はひどい人間ではない。ミクシィのことではない。色んなことだ。
人間はいくら怒鳴られても叩かれても、すぐには変われない。ましてや、変わる気がなければなおさらだ。
私は甘いと思う。
でも、娘に寄り添いたいのだ。
「ベルトで殴ろうとしたり唾を吐きかけたり、『こんな子供になるなら、子供なんか産まなきゃよかった。』なんて言うのは、自信を失わせてしまうよ。現に『生まれてきて悪かった。』って言うんだから。」
「いいんだ、もう。私はやることはやった。」
「お金ができたら二人で出ていくから、それまで落ち着いてて。」
涙を堪えて家をでる。ドアを閉めた瞬間、カチリと鍵が閉められた。
涙が出る。声を出して泣きそうになる。
私は弱い。自転車を漕ぎながら、途中で進路を変えた。
開店してないお店の前で、職場に電話をしようと試みる。
嗚咽がでてしまう。
遅刻していこうか休みを貰おうか。
ダメだ。
涙がでる。
電話がつながり、泣き声にならないよう、必死に用件を伝える。
声がつまる。
電話を切った。
私は弱い。
娘は登校したのに、私は休むことにした。
涙を押さえながら、仕事帰りにたびたび店に寄ってくれる店員さんがいるドトールに入る。
彼女もいた。知っている人がいるというのも悪くない。
もう二時間はいる。
途中、コーヒーがおわり、紅茶を頼んで笑われた。
心の整頓をしなければ
私はドトールを出て行けない。夫のいる家には帰れないのだから。
4時半に娘が帰ってくるから、それまで時間を外で潰さなければ。
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