男子高校生が4人で買い物に来た。
一人の男の子が自分が買うパンを出すと、
後からきた子も自分が選んだパンをレジ台においた。
別々の会計かどうかたずねると一緒だという。
するともう一人の男の子も、おごってくれと
自分のパンを出した。
「しょうがないな~」
と一番目の男の子は弱気そうな笑顔を見せながら
応じた。
4人目の男の子は何も反応しなかった。
「○○イエーイ!」
と驕ってもらう男の子は囃し立てる。
「ポイントカードは無料で作れますか。」
と一人目の男の子。
「はい、作れますよ。お作りしますね。」
すると、驕ってもらう男の子が、当然とばかりに
自分の財布からポイントカードを抜き出し、
「俺のカードで。」
「え!」
軽く驚いた表情を見せた奢ってくれる一番目の
男の子に対しその子は、
「お前は、今度つくれ。」
私は「どうしますか。」 とたずねたが、流れはお金を払わない男の子の
ポイントカードにポイントをつけることに、、、。
仕方ないなとばかりに、友人の言葉に従った
男の子は、ポイントを今日はつけなくても、作成する
ことは可能かどうかたずねて来た。
それはできないことを伝えると、残念そうにあきらめた
男の子。
会計が済むとサッサと行ってしまったが、4人目の
男の子だけは、88円のパンをレジに出し、私は急いで
レジをうっておつりを渡した。
その子は先に行ってしまったグループに遅れまいと走って行った。
虚しさだけが残った。
お金を出させてポイントまで自分でもらおうとする、
今時の女子中学生にモテそうな、背が低くて色白の
かわいらしい端整な顔立ちの、でも口の結び方は軽薄
そうな男の子に。
自分の主張をはっきりと通せない、お金を払わされた上に
ポイントまでとられてしまった男の子に。
「自分のも奢れ」と言えなかっただけなのか、それとも
「そんなひどいことはやりたくない」という心をもった人物なの
かは分からないが、どうみても仲間から軽くあしらわれ、仲間
はずれにされてそうな、自分の分をきちんと支払って、一生
懸命後を追っていく4番目の男の子に。
たいした印象は残さなかったけれど、やはり自分の分をおご
ってもらったもう一人の男の子に。(でもその男の子がどんな
雰囲気だったのか私には思い出せない。)
そして、私自身に対して、猛烈に腹が立った。
どうして私の頭は回転が鈍いんだろうと。
ポイントカードは、お買い物をする人のカードにつけるのが
基本なのだから、私は「自分のカードに」と図々しくも
しゃしゃり出てきた、奢ってもらう男の子を無視して、
「お支払いする方にポイントをつけることになっておりますので。」
と新規にカードを作れば良かっただけなのだ。
お客様の当然の権利を、私は奪ってしまった。
そして店員としてだけではなく、一人の大人として、当然の
ことをあの男の子たちに示すべきだったと、強く反省をした。
弱気そうなあの男の子を守ってあげたかったとも思った。
ごめんなさい。もう遅いけど。
そんな自己嫌悪と腹立たしさに見舞われていたら、
3歳の娘さんを連れた常連さんがやってきた。
会計の途中に携帯に電話がかかり話し始めた。
私は小さな声で必要なことを伝えながら、目と目で
さよならを言った。
常連さんだし、とっても明るく誠実な人だと
いうことは分かっているので、それだけで充分だった。
それから数分してフト入り口の方をみたら、まだ
店内でしゃべっている、そのママさんがいた。
さらに数分後、ドアが開いたから「いらっしゃいませ」
と声をかけようと顔をむけると、そのママさんが
顔を出していた。
「さっきは、携帯でしゃべってしまってごめんなさい。
あやまりたくって。」
この一言のために、わざわざ顔をだしてくれたのだった。
ありがとう。
男子高校生たちの一件で重かった心が少し軽くなりました。
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